エアコンのドレン排水が逆流する原因|ホースの詰まり・清掃方法は?

2025.07.28 UPDATE

エアコンから水漏れ?

「エアコンの吹き出し口から水が垂れてきた!」

突然のエアコンからの水漏れ・・・。

もしかしたら、それはエアコンのドレン排水の逆流が原因かもしれません。

エアコンの内部にたまった水(結露水)は、ドレンホースという管を通じて屋外に排出されます。 ところが、何らかの原因でその排水がうまくいかなくなると、水が逆流したり、水漏れを起こしたりすることがあるのです。 この記事では、ドレン排水の仕組みから逆流の原因、掃除方法、予防策までを詳しく解説します。

エアコンのドレン排水とは?

エアコンのドレンホースから出る水

エアコンを使っていると、室外機の近くから水がポタポタと落ちているのを見たことはありませんか?この水の正体こそが「ドレン排水」です。

ドレン排水の原理は「結露」!身近な現象がエアコンの中で起こる

ドレン排水の仕組みを理解する上で大切なのが「結露」です。結露と聞くと、冬の寒い日に窓ガラスが曇って水滴が付く現象を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。エアコンの中で起こっていることも、基本的にはこれと同じメカニズムなんです。

エアコンのドレン排水について、もっと詳しく知りたい方はこちらも参考にして下さい

▶ エアコンの「水」の正体は?ドレン排水はどうやってできるの?

エアコンのドレン排水が逆流する主な原因

では、具体的にドレン排水が逆流してしまう原因にはどのようなものがあるのでしょうか?主に以下の3つが挙げられます。

ドレンホースの詰まり

ドレンホースの詰まり

最も一般的な原因は、ドレンホースの詰まりです。ドレンホースの内部は細く、以下のようなものが入り込むことで簡単に詰まってしまいます。

  • ホコリやゴミ:エアコンの吸い込み口から入ったホコリや、室外の砂埃、枯葉などがドレンホースに入り込み、蓄積して詰まることがあります。
  • 虫の侵入:特に夏場は、ゴキブリやクモなどの虫がドレンホースの出口から侵入し、内部で巣を作ったり、死骸が詰まったりすることがあります。
  • 藻やヘドロ:ドレンホース内部は湿気が多いため、藻やヘドロが発生しやすく、それが蓄積して詰まることがあります。特に、日当たりが悪い場所や湿気の多い場所にドレンホースが設置されている場合に起こりやすいです。
  • 結露水の凍結(冬場):冬場に暖房運転をしている場合、ドレンホース内の結露水が凍結して詰まることがあります。これは、外気温が低い地域で発生しやすい現象です。

ドレンホースの勾配不良・ねじれ

ドレンホースは、室内のドレンパンから室外へ水を排出するために、必ず下り勾配(傾斜)が必要です。もし、ドレンホースが途中で上り勾配になっていたり、水平に近すぎたりすると、水がスムーズに流れず、途中で溜まってしまい、最終的に逆流してしまいます。

また、ドレンホースが途中で強くねじれていたり、潰れてしまっている場合も、水の流れがせき止められて詰まりと同じような状態になり、逆流の原因となります。DIYで取り付けた場合や引っ越し後に再設置した際に傾斜が逆になっているケースも要注意です。

ドレンパンや内部配管のトラブル

ドレンパンにゴミが溜まっていたり、内部のドレン配管が劣化・破損している場合も水の流れが悪くなります。 特に長年使用しているエアコンは、経年劣化も視野に入れましょう。

エアコンのドレンホースが詰まるとどうなる?

エアコンが冷房運転をすると、室内機内部で空気中の水分(湿気)が結露して水になります。 この水は「ドレンパン」という受け皿に溜まり、ドレンホースを通じて外へ排出される仕組みです。

ドレンホースは、重力によって水を流すため、緩やかな傾斜をつけて取り付けられています。 ドレンホースが詰まると、排水がスムーズに行われずにエアコン内部に水が溜まり、逆流や水漏れの原因になります。

ドレンホースが詰まると、次のようなトラブルが発生することがあります。

  • エアコンからの水漏れ:エアコン内部に溜まった水が溢れ出し、お部屋の床や壁を濡らしてしまうことがあります。これは、カビの発生や壁紙の剥がれ、さらには漏電の原因にもなりかねません。
  • エアコンの送風口やフィルターのカビ発生:水が溜まることで、エアコン内部は湿気がこもりやすくなります。カビは湿度が高い場所を好むため、送風口やフィルターに黒いカビが発生し、エアコンから嫌なニオイがするようになることがあります。このカビの胞子が室内にまき散らされると、アレルギーやぜんそくなどの健康被害につながる可能性も。
  • エアコン本体の故障:水が電気部品にかかることで、ショートや故障を引き起こす可能性があります。最悪の場合、エアコンが全く動かなくなってしまうこともあります。
  • 冷房能力の低下:熱交換器に水が溜まることで、効率的な熱交換ができなくなり、冷房能力が低下することがあります。「なんだか最近、エアコンが効かないな…」と感じたら、ドレンホースの詰まりが原因かもしれません。

ドレンホースの詰まりは、エアコンの機能低下だけでなく、お部屋の衛生環境や建物の損傷、そして健康にも影響を及ぼす可能性があります。異常に気が付いたら早めに対処しましょう。

ドレンホースの詰まりを自分で解消する方法

もしドレンホースの詰まりが原因でドレン排水が逆流している場合、ご自分で解消できる可能性があります。作業を行う際は、必ず以下の点に注意してください。

  • 安全第一:高所作業になる場合は、無理せず専門業者に依頼しましょう。
  • 感電注意:作業前には必ずエアコンのブレーカーを落としてください。
  • 無理はしない:ご自身で解決できないと感じたら、すぐに専門業者に連絡しましょう。

ドレンホースの先端から異物を除去する

一番簡単な方法として、まずはドレンホースの先端を確認してみましょう。

  • 目視確認:ドレンホースの出口に、落ち葉や土、虫の死骸などが詰まっていないか確認します。
  • 除去:詰まっているものがあれば、割り箸やピンセットなどで優しく取り除いてください。奥に入り込んでいる場合は無理せず、次の方法を試しましょう。
  • 確認:異物を除去した後、エアコンの電源を入れて冷房運転を行い、水が正常に排出されるか確認します。

ドレンホースクリーナー(真空ポンプ)を使用する

市販されている「ドレンホースクリーナー」や「真空ポンプ」を使うと、詰まりを吸引して解消できる場合があります。

使用方法の例:

  1. エアコンのブレーカーを落とします。
  2. ドレンホースの先端にドレンホースクリーナーの先端をしっかり差し込み、空気が漏れないように密着させます。
  3. クリーナーのハンドルを引いたり、ポンプを数回押したりして、内部の詰まりを吸引します。
  4. 詰まりが取れると、「ゴボゴボ」と音がしたり、水が排出されたりすることがあります。
  5. 詰まりが解消されたら、エアコンのブレーカーを戻し、冷房運転をして水が正常に排出されるか確認します。

掃除機で吸い出す(注意が必要)

ご家庭にある掃除機で吸い出す方法もありますが、注意が必要です。掃除機内部にエアコンのドレン排水が入ってしまうと、故障の原因になる可能性があります。

作業を行う場合の注意点

  • 必ず乾湿両用の掃除機を使用する。一般的な家庭用掃除機は水気を吸い込むと故障します。
  • 水気を吸い込まないように工夫する:ドレンホースと掃除機の間に、水気をせき止めるためのタオルなどを挟むなど工夫が必要です。
  • 短時間で済ませる:長時間吸い続けると、エアコン内部に負担がかかる可能性があります。

上記の方法はあくまで応急処置であり、自己責任で行う必要があります。少しでも不安を感じる場合は、無理に自分で解決しようとせず、専門業者に依頼しましょう。

掃除しても詰まりが解消しない場合

上記の方法を試してもドレンホースの詰まりが解消しない場合や、水漏れが続く場合は、以下の可能性が考えられます。

  • ドレンホースの奥深くで頑固な詰まりが発生している:ご自身では届かない場所に、強力なカビやヘドロ、虫の巣などが形成されている可能性があります。
  • ドレンパンが破損している:ドレンパン自体にヒビが入ったり、破損している場合は、いくらホースを掃除しても水漏れは止まりません。
  • エアコン本体内部の故障:ドレンポンプ(ドレン排水を汲み上げるポンプ)の故障など、エアコン本体内部に問題がある可能性も考えられます。
  • ドレンホースの勾配不良や破損:ホースが途中でねじれていたり、物理的に破損している場合は、清掃だけでは解決しません。

このような場合は、ご自身での対処は難しく、かえって状況を悪化させてしまう可能性もあります。速やかに修理をご依頼ください。

ドレンホースの詰まりを防ぐ3つの対策

ドレンホースの詰まりは、日頃のちょっとした心がけで予防することができます。ここでは、効果的な3つの対策をご紹介します。

ドレンホースの先端に防虫キャップを取り付ける

ドレンホースの出口は、虫が侵入しやすい場所です。特に夏場は、蚊やゴキブリ、クモなどが入り込んで中で巣を作ったり、死骸が詰まったりすることがよくあります。

市販されている防虫キャップ(ドレンホース用防虫網)を取り付けることで、虫の侵入を物理的に防ぐことができます。ホームセンターや家電量販店で数百円程度で購入でき、取り付けも簡単です。ただし、通気を妨げないメッシュ構造のものを選び、定期的にゴミが溜まっていないか確認するようにしましょう。

ドレンホースの先端に防虫キャップ

定期的にドレンホースの周辺を清掃する

ドレンホースの出口付近に落ち葉や砂埃、土などが溜まっていると、それがホース内に入り込んで詰まりの原因となることがあります。特に室外機の周辺は、雨風にさらされて汚れやすい場所です。

年に数回、ドレンホースの出口周辺を目視で確認し、落ち葉やゴミを取り除くようにしましょう。また、室外機周辺の掃除をする際に、ドレンホースの出口も軽く拭いたり、ブラシで掃除したりする習慣をつけると良いでしょう。

エアコンの定期的なクリーニングを依頼する

ドレンホースの詰まりの原因となるホコリやカビは、エアコン本体の内部で発生し、それがドレン排水とともにホースに流れ込むことで蓄積していきます。

ご自身でできるフィルター掃除はもちろん大切ですが、エアコン内部の熱交換器やドレンパンなどは、ご家庭で完全に掃除するのは難しい箇所です。専門業者に依頼して、定期的にエアコンクリーニングを行うことで、内部のホコリやカビを徹底的に除去し、ドレンホースの詰まりの根本原因を断つことができます。

特に、冷房シーズン前やシーズン後に一度クリーニングを行うと、エアコンを清潔に保ち、ドレンホースの詰まりだけでなく、カビ臭や冷房効率の低下なども防ぐことができます。

エアコンのドレン水についてよくある質問(Q&A)

Q1.  エアコンからポコポコ音がするのは詰まりのせい?

A1. ドレンホースの詰まりがポコポコ音の原因になっている可能性は十分にあります。しかし、室外との気圧差も要因の一つです。

気圧差によるポコポコ音は、一時的なものや、換気扇の使用を止めたり、窓を少し開けたりすることで解消されることが多いです。雨の日や風の強い日、台風の時なども、外気の変化によってこの現象が起こりやすくなります。

こちらの記事で詳しくまとめています。

▶ エアコンからポコポコ音がするのはなぜ?原因と自分でできる解消法

Q2. ドレンホースから黒い水が出てくるのですが、なぜですか?

A2. ドレンホースから黒い水が出てくる場合、エアコン内部やドレンホース内部にカビやヘドロが大量に発生している可能性が高いです。特に、夏場にエアコンを使用した後、次のシーズンに使用する際によく見られます。

これは、エアコン内部に溜まったホコリと結露水が混ざり合い、カビが繁殖した結果です。黒い水が出るということは、エアコン内部がかなり汚れているサインでもあります。この場合は、ご自身での対処は難しいため、エアコン内部の分解清掃をご依頼ください。

札幌ニップロでも対応しています。

Q3. ドレンホースが潰れているのですが、自分で直せますか?

A3. ドレンホースが軽く潰れている程度であれば、ご自身でゆっくりと形を整えて直せる場合もあります。しかし、無理に直そうとすると、ホースを破損させてしまう可能性があります。特に、ドレンホースが壁の中を通っていたり、手の届かない場所で潰れていたりする場合は、ご自身での修理は困難です。

もし、ご自身での修理が難しいと感じた場合は、無理をせずご相談ください。ホースの一部を交換したり、適切な勾配になるように再設置したりする必要があるかもしれません。

まとめ|ドレンホースの詰まりは早めの対処を

エアコンのドレン排水の逆流は、エアコンの故障だけでなく、お部屋の損傷や健康被害にもつながる可能性がある厄介なトラブルです。

その原因の多くはドレンホースの詰まり

日頃からドレンホースの出口の点検や、定期的なエアコンクリーニングを行うことで、ドレンホースの詰まりを予防することができます。

ドレンホースが詰まってしまった場合でも、取り除くことで解消するケースが多いですが、長期間放置してしまうと機器を痛めてしまうので早めに対処しましょう。

ご自身での対処が不安な方は、札幌ニップロまでご相談ください。

エアコンのことなら札幌ニップロに相談を

📞 電話で今すぐ相談したい方

0120-101041

🕘 【営業時間】9:00〜17:00/⛔ 日曜・祝日定休

✉️ フォームで気軽に問い合わせたい方

お問い合わせフォームはこちら

📞 LINEで手軽にチャット相談したい方

スマホからすぐに相談OK!写真を送って「うちでも設置できる?」といった質問も可能です。

👉 LINEで相談する

阿部 沙織(アベ サオリ)

札幌ニップロ株式会社でセントラルヒーティングに関する業務に携わっています。弊社で施工した暖房の新築工事のアフター点検業務を経て、現在は管理部で内勤業務を行っています。主に、暖房設備に関することや生活に役立つ知識について発信しています。
最近の趣味はボーリングとポケモンGO。ペットはキンカチョウと姫ウズラを飼っています。

先頭に戻る