北海道で寒冷地エアコンの暖房をつけっぱなしにしたときの電気代は?
2025.05.26 UPDATE

こんにちは!住まいの設備会社 札幌ニップロです。
北海道でエアコン暖房を使っている方・検討している方の多くが「暖まるのに時間がかかるから、つけっぱなしにしたい」と思っているはず。
しかし、冬は特に光熱費が心配ですよね?
そこで今回は、北海道でエアコン暖房をつけっぱなしにしたら電気代はいくらになるのかを中心に解説!
「つけっぱなし」と「つけたり消したりする」のではどれくらい電気代に差があるのかや、寒冷地仕様のエアコンと非寒冷地仕様のエアコンの電気代についても比較します。
電気代を節約するために注意すべきポイントも一緒にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
北海道で寒冷地エアコンの暖房をつけっぱなしにした場合の冬の電気代は?
エアコン暖房はつけっぱなしにせず、使わないときは消すほうが電気代を抑えられそうなイメージがありますよね。
しかし、冬の北海道の場合は「つけっぱなしのほうが安い」可能性が大きいのです!
実は、エアコン暖房が一番電力を使うのは「室温を設定温度まで上げる」とき。
設定温度に達すれば、部屋の温度を保つのに立ち上げ時ほどの電力は必要ありません。
言い換えれば、外気温すなわち室温が低くなる地域ほど、設定温度との差が大きくなるため、電力消費の激しい立ち上げの回数を減らし、つけっぱなしにしておくほうが電気代を抑えられるのです。
では、「つけっぱなし」と「つけたり消したりする」のでは、電気代にどれほど差が出るのでしょうか?
実際に計算していきたいと思います!
エアコン暖房にかかる光熱費を計算!「非寒冷地仕様」と「寒冷地仕様」ではどうなる?
エアコン暖房にかかる電気代は、次の式で求められます。
35(円/kWh) × 運転時間(時間) × 消費電力(W)÷ 1000
35(円/kWh)は北海道電力の目安単価(2025年5月現在)です。
北海道のエアコン暖房には「寒冷地仕様」がおすすめということもあり、今回は「非寒冷地仕様」と「寒冷地仕様」でも比較していきます。
※非寒冷地仕様は厳冬期に使用できないので、厳冬期以外の時期での使用を想定しています。
計算には、下記のエアコンの値を使用します。
<非寒冷地仕様>
- 機種:ダイキン Eシリーズ AN255AES-W
- 対応畳数:6~8畳(10~13㎡)
- 消費電力:635W(130~1,290W )
- 設定温度になるまでの時間:約20分(0.3時間)
<寒冷地仕様>
- 機種:ダイキン KXシリーズ S225ATKS-W
- 対応畳数:6~8畳(10~13㎡)
- 消費電力:540W(120~1,970W )
- 設定温度になるまでの時間:約20分(0.3時間)
【つけっぱなし時】
運転時間:トータルの運転時間-設定温度になるまでの時間=トータルの運転時間-0.3✕起動回数
消費電力:130W(非寒冷地仕様)、120W(寒冷地仕様)
【立ち上がり時(設定温度になるまで)】
運転時間:0.3時間
消費電力:1,290W(非寒冷地仕様)、1,970W(寒冷地仕様)
【電気代の計算式】
(非寒冷地仕様)
電気代=35✕(トータルの運転時間-0.3✕起動回数)✕130÷1,000+35✕(0.3✕起動回数)✕1,290÷1,000
(寒冷地仕様)
電気代=35✕(トータルの運転時間-0.3✕起動回数)✕120÷1,000+35✕(0.3✕起動回数)✕1,970÷1,000
【補足】
消費電力は「635W(非寒冷地仕様)、540W(寒冷地仕様)」が安定時の平均的な消費電力、「130W(非寒冷地仕様)、120W(寒冷地仕様)」が最小の消費電力、「1,290W(非寒冷地仕様)、1,970W(寒冷地仕様)」が最大の消費電力の値です。
つけっぱなし時は消費電力が最も少ないと考えられるため「130W(非寒冷地仕様)、120W(寒冷地仕様)」を、立ち上がり時は最も多くなると仮定して「1,290W(非寒冷地仕様)、1,970W(寒冷地仕様)」を計算に使います。
運転時間については、少し複雑です。
つけっぱなしの時間を「トータルの運転時間-設定温度になるまでの時間」としたいと思います。
設定温度になるまでの時間は、計算に使う機種が設定温度に達するまでにかかる時間、すなわち20分(0.3時間)に、スイッチを入れて起動させた回数をかけた値です。
「つけっぱなし」と「つけたり消したり」の電気代、計算結果は?
24時間つけっぱなしの場合と数時間おきに「つける→消す」を繰り返した場合について、先ほどの計算式で求めた電気代がこちらです。
さらに、24時間つけっぱなしの場合との差額はいくらになるのか、1日分と1カ月分それぞれについて算出してみました!
【非寒冷地仕様のエアコンの場合】
起動回数 | トータル運転時間 | 電気代 | 24時間つけっぱなしとの差額(1日) | 24時間つけっぱなしとの差額(1か月) | |
---|---|---|---|---|---|
24時間つけっぱなし | 1 | 24 | 約121円 | 0円 | 0円 |
1時間おき | 12 | 12 | 約201円 | 約+79円 | 約+2,381円 |
2時間おき | 6 | 12 | 約128円 | 約+6円 | 約+189円 |
3時間おき | 4 | 12 | 約103円 | 約−18円 | 約−542円 |
4時間おき | 3 | 12 | 約91円 | 約−30円 | 約−907円 |
6時間おき | 2 | 12 | 約79円 | 約−42円 | 約−1,273円 |
12時間おき | 1 | 12 | 約67円 | 約−55円 | 約−1,638円 |
※計算結果は四捨五入、また、1カ月を30日として計算
【寒冷地仕様のエアコンの場合】
起動回数 | トータル運転時間 | 電気代 | 24時間つけっぱなしとの差額(1日) | 24時間つけっぱなしとの差額(1か月) | |
---|---|---|---|---|---|
24時間つけっぱなし | 1 | 24 | 約120円 | 0円 | 0円 |
1時間おき | 12 | 12 | 約284円 | 約+163円 | 約+4,898円 |
2時間おき | 6 | 12 | 約167円 | 約+47円 | 約+1,402円 |
3時間おき | 4 | 12 | 約128円 | 約+8円 | 約+236円 |
4時間おき | 3 | 12 | 約109円 | 約−12円 | 約−347円 |
6時間おき | 2 | 12 | 約89円 | 約−31円 | 約−929円 |
12時間おき | 1 | 12 | 約70円 | 約−50円 | 約−1,512円 |
※計算結果は四捨五入、また、1カ月を30日として計算
表を見ると、トータルの運転時間が同じでも、電気代が異なることがわかります。
また、寒冷地エアコンの場合、1~3時間おきまでは、24時間つけっぱなしより、つけたり消したりするほうが電気代は高くなるという結果になりました。
実際の光熱費が全くこの通りになるわけではありませんが、結論として、次のことがいえるでしょう。
- ずっと家にいるなら、起きている間はつけっぱなしのほうが安い
- 短めの外出なら、つけっぱなしのほうが安い
- 仕事などで長く家を空けるなら、消したほうが安い
特に北海道の冬はマイナスになるため、つけっぱなしによる電気代節約の効果が大きいといえます。
エアコン暖房をお使いの際は、使用時間にぜひ気を配ってみてくださいね。
「そもそも、北海道でエアコン暖房ってどうなの?」「寒冷地仕様のエアコンじゃないとダメ?」といった疑問をお持ちの方は、下記のコラムもぜひ参考にしてください!
北海道でエアコン暖房だけは寒い?使うメリット・デメリットを解説!
北海道のエアコンに寒冷地仕様は必要か?普通のエアコンとの違いも。
エアコン暖房のつけっぱなしで節約するコツは?北海道の冬は雪にも注意
エアコンをつけっぱなしにする際は次の7つに注意すると、さらに電気代を節約できます。
また、節約とは関係ありませんが、空気の乾燥にも注意しましょう。
冬は特に肌や喉が乾燥しないように、加湿器を一緒に使うのがおすすめです。
コツ①室外機まわりの障害物を除去
室外機の前に物があると、うまく外気を取り込めないため暖房の効きが悪くなります。
室外機のまわりに物を置かないのはもちろん、北海道の冬では特に雪への対策も必要です。
室外機に雪が吸い込まれても、暖房が効きづらくなります。
防雪フードや架台(室外機を直置きしないための台)を活用しましょう。
コツ②エアコンは自動運転を使用
エアコンは自動運転モードにしましょう!
自動運転モード中は、最も効率の良い運転方法が選択されているからです。
先ほどお伝えした通り、エアコン暖房が一番電気を消費するのは室温を設定温度まで上げるとき。
弱運転だと設定温度に達するまでの時間が長くなるため、余計に電気代がかかってしまいます。
コツ③設定温度は20℃を目安に1℃ずつ調整
環境省が推奨する暖房の設定温度は、20℃が目安です。
また、設定温度を1℃下げると、消費電力を約10%もカットできるともいわれています。
まずは20℃に設定し、余裕があるなら1℃ずつ下げてちょうど良い温度を探るのが良いかもしれません。
暖房の設定温度については下記のコラムでも詳しく紹介しています!
冬のエアコン暖房の設定温度の理想は?節約しながら快適に過ごす方法
コツ④エアコンのフィルターは2週間ごとに掃除
フィルターが詰まると、エアコンの性能が落ちて余計な電力を消費する原因に。
2週間に1回の掃除がおすすめです。
1年間まったく掃除をしなかった場合は、なんと暖房使用時の消費電力量が約25%もアップしてしまうといった情報もあります。
特につけっぱなしだとホコリがたまりやすいため、掃除機や水洗いで取り除きましょう。
年に1回は、エアコンクリーニングを行うのがおすすめです。
こちらのコラムで、エアコンクリーニングの適切な頻度についてご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
エアコンクリーニングの頻度の目安と適切な時期は?お手入れ方法も確認
コツ⑤サーキュレーターを併用
暖かい空気は上のほうにたまりやすいです。
サーキュレーターを使って室内の空気を循環させれば、足元だけ暖まらないということを防ぎ、必要以上に設定温度を上げてしまうのを避けられます。
エアコンの風向きを下に設定して、サーキュレーターを天井へ向けると、効率的に部屋中が暖まります。
コツ⑥窓の断熱性を強化
断熱シートや断熱フィルムを使うと、窓を通して熱が外へ逃げるのを防げます。
ただ、北海道の住宅ではペアガラス(2枚のガラス)の窓が一般的なため、窓の断熱性はすでに充分であることが多いでしょう。
窓がペアガラスでない、窓の断熱性がイマイチという場合は、ホームセンターなどで購入できる窓用の断熱シートなどを検討してみてください。
窓の断熱については、下記のコラムもぜひ読んでみてくださいね。
窓の断熱効果を知ろう!効果的なリフォームや手軽な断熱方法も解説!
コツ⑦電力会社・電気プランの見直し
電気料金が高いと感じるなら、電気プランを見直すのもおすすめです。
ライフスタイルに合わせたプランや、家のネット・スマホとのセット割プランなど、各社さまざまなプランを提供しています。
シミュレーションできることも多いので、ぜひ検討してみましょう。
電気代のセット割については、下記のコラムでも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
北海道の冬を乗り越えるための寒冷地エアコンの選び方
寒冷地仕様のエアコンなら、効率的にお部屋を暖めて快適に過ごせます。
選び方のポイントに加えて、購入するのにおすすめの時期についても紹介します。
寒冷地エアコン選びのポイント
寒冷地エアコンを節約しながら効率良く稼働させるためには、まずは商品の選び方も重要です。
これから購入を考えている方は、ぜひチェックしてください。
部屋の広さに合った畳数のエアコンを選ぶ
寒冷地仕様・非寒冷地仕様の両方のエアコンに言えることですが、部屋の広さをしっかりカバーできるエアコンを選びましょう。
暖房能力が足りないと、いつまで経っても部屋が暖まらず、電気代もかさんでしまいます。
カタログに記載されている畳数はあくまで目安です。
お部屋の断熱性や窓の大きさなども考慮して、少し余裕のある性能の機種を選ぶと安心です。
暖房能力(kW)を確認する
畳数表示だけでなく、エアコンの暖房能力を示すkW数もチェックしましょう。
寒冷地仕様のエアコンは、通常のエアコンよりも高い暖房能力を持っています。
お住まいの地域の最低気温や、過去の冬の寒さを考慮して、十分な暖房能力を持つ機種を選びましょう。
省エネ性能で選ぶ
冬はエアコンを使う時間が長くなるので、省エネ性能の高い機種を選ぶと電気代を節約できます。
「省エネ基準達成率」や「APF(通年エネルギー消費効率)」の数値が高いほど、省エネ性能に優れています。
付加機能もチェックする
エアコンには、次のようなさまざまな付加機能があります。
【付加機能の例】
- 除湿機能:冬の結露対策に役立つ
- 空気清浄機能:花粉やPM2.5など、気になる空気の汚れを除去する
- 自動お掃除機能:フィルター掃除の手間を減らす
- 人感センサー:人の動きを感知して運転を自動で調整する
エアコンの選び方は、下記のコラムもチェックしてみてくださいね。
後悔しないエアコンの選び方!事前にチェックするべきポイントも
エアコン購入に適した時期
一般的に、エアコンの価格は春から夏にかけて高くなり、秋から冬にかけて落ち着く傾向があります。
おすすめは9月~11月頃。
冬本番を迎える前は比較的価格が安定していて、在庫も豊富な時期です。
年末年始などもセールでお得に購入しやすい時期といえますが、北海道などの寒冷地の場合、雪で屋外作業が難しくなるケースもあるため、雪が降る前の買い替えがおすすめです。
エアコンの購入時期については、下記のコラムもあわせてご覧ください!
エアコン購入時期はいつがおすすめ?買い替えの目安についても解説
冬の北海道でエアコン暖房を使うならつけっぱなしがお得!
北海道のように冬の気温がマイナスになる地域では、エアコン暖房のつけっぱなしによる電気代節約の効果が大きくなります。
エアコン暖房は、室温を設定温度まで上げるときに一番電力を消費するからです。
また、厳冬期は非寒冷地エアコンは使用できないので、寒冷地仕様のエアコンを使用するのがおすすめです。
使用時間に気を配りつつ、次の7つのコツで電気代をさらに節約しましょう!
- 室外機まわりの障害物の除去
- 自動運転の使用
- 設定温度は20℃を目安に1℃ずつ調整
- 2週間ごとにフィルターを掃除
- サーキュレーターを併用
- 窓の断熱性を強化
- 電力会社・電気プランを見直す
つけっぱなしの場合は空気が乾燥しやすいため、加湿器も一緒に使うのがおすすめです。
購入する際は、部屋の広さに合っているかや暖房性能がどのくらいあるかをチェック。
冬本番になる前が商品も豊富なので、比較検討しながら選びやすいです。
札幌ニップロではエアコンの取り付けを承っております。
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