セントラルヒーティングの仕組みを解説!メリットや効果的な使い方

2020.03.01 UPDATE

自然に囲まれた家

こんにちは!住まいの設備会社 札幌ニップロです。

 

北海道の冬は寒くて長い!少しでも暖かく快適に過ごしたいですよね。

 

そんな時期に大活躍なのが暖房器具。

エアコン、電気ストーブ、灯油ストーブ、こたつにホットカーペット…さまざまな暖房器具があります。

皆さんは、どのような暖房器具を使用していますか?

 

今回は一戸建て住宅の暖房器具として多く見られる「セントラルヒーティング」のお話。

セントラルヒーティングの仕組みやメリットデメリット、効率的な暖め方などを詳しくお伝えしていきます!

セントラルヒーティングの仕組みをまず理解しよう!

セントラルヒーティングは海外で主流の暖房器具です。

エアコンやストーブのように一ヶ所を暖めるのではなく、建物の一ヶ所に熱源装置を設置して各部屋に熱を送り出し、家全体を一気に暖める仕組みです。

その仕組みから「全館集中暖房」「中央暖房」とも呼ばれています。

 

種類は「温水セントラル」と「温風セントラル」の2種類があります。

 

温水セントラルとは?

近年最もポピュラーなセントラルヒーティングで、特に北海道で多く利用されています。

家の各部屋にパネルヒーターを設置し、そこに温水を流してその熱で部屋を暖めます。

または、温水を家の各部屋へ配分して、ラジエータを使って温水で暖められた空気を室内に放熱する仕組みです。

 

温水を作る際には、ガスのボイラーや電気などを利用します。

部屋の温度が下がりにくく、全体的に均一に暖まりやすいため、広めの部屋や大きな建物向きです。

 

温風セントラルとは?

現在はほとんど使用されていません。

空気を暖めて、各部屋へ送る仕組みです。

空気を暖める際には電気やガス、石油を使用します。

 

配管の気密性に重きを置かなくていい点と、熱源として活用しやすい点がメリットですが、比熱が低く狭いスペースしか効率よく暖められないため、使用しているところが少ないのが現状です。

 

 

セントラルヒーティングのメリットと長く使うコツ!

メリットとデメリットの比較

仕組みがわかると家のどこでも暖かく快適な冬が過ごせそうで、すぐにでも使いたくなりますよね。

セントラルヒーティングには他にもメリットがたくさんあります。

ただしデメリットもありますので、それぞれ把握したうえで検討してみましょう。

 

セントラルヒーティングのメリット

①火災や火傷の危険性が低い

石油ストーブやガスファンヒーターなどと違い、直接火を使わないので火災や火傷の心配が少なくて済みます。

小さいお子さんや高齢者がいる家庭では重宝するでしょう。

また、コードを傷つけられる心配がなく、室内で安心してペットを飼うこともできます。

 

②きれいな空気を保てる

直接火を使わないので、二酸化炭素が発生せず空気を汚しません。

また、暖める際に風が吹かないので、使用中にほこりが舞い上がりません。

アレルギー体質の人や乾燥肌、生まれたばかりの赤ちゃんでも安心して使えます。

 

③家全体を一度に暖められる

家の各部屋にパネルヒーターなどの熱源が設置されているので、一度に家全体を同じ温度に暖めることが可能です。

部屋を移動しても暖かいままなので、洗面所やお風呂場など、寒くなりがちな場所でも快適に過ごせます。

 

④稼働音が静か

意外と気になるのが暖房器具の稼働音。

運転音のほとんどしないセントラルヒーティングなら、赤ちゃんのお昼寝や電話の会話、お仕事の邪魔になりません。

 

セントラルヒーティングを長く使うコツ

セントラルヒーティングを長く使うコツは、メンテナンスをしっかりと行うこと!

正しくメンテナンスすれば、半永久的に使用可能です。

 

メンテナンスには、日常的なものと、数年に一度でよいものがあります。

 

①日常的に行うメンテナンス

日々のメンテナンスで行ってほしいことは、パネルヒーターの表面を乾いた布でひと拭きし、ほこりを取るくらい。

隙間にホコリが溜まってしまった場合には、専用のブラシや掃除機でホコリを取り出しましょう。

パネルヒーターが汚れたときのお手入れ方法」でもご紹介していますので参考にしてみてくださいね!

 

②定期的に必要なメンテナンス

定期的に必要なメンテナンスには「不凍液の交換」と「ボイラーの保守点検」があります。

不凍液は3年目が経過した頃から劣化が始まります。

3年が経過したら、不凍液交換を検討してくださいね!

 

パネルヒーターの劣化の主な原因は「不凍液」の劣化による内部からのさびつきが多いです。

「そういえばずっと気になってた・・・!」と不安になっていた方、不凍液の状態を早めにチェックしましょう。

不凍液交換については「パネルヒーターを長く使う為の健康診断」でもご紹介していますので、メンテナンスのご参考にして下さいね。

 

保守点検は、ボイラー本体の健康診断のため1年に1回を目安に行いましょう。

 

費用ですが、札幌ニップロの例でご紹介すると「不凍液の交換」は施工に約2時間、費用は3万4,000円〜でご案内しています。

「ボイラーの保守点検」は作業時間が約1時間、費用はガスが1万2,500円〜、灯油が1万8,000円〜です。

 

消耗部品は交換する場合もありますので、定期メンテナンスの際は、時間も費用も余裕をもって準備するのがいいでしょう。

 

 

セントラルヒーティングの効果的な使い方と注意点

温度計を確認する女性

メリットの多いセントラルヒーティング。

快適な暮らしのために導入するために、メリットを活かして効率よく使用する方法と注意点もご紹介しておきましょう。

 

パネルヒーターを効率良く使用するための設定

パネルヒーターを効率よく使うには「ボイラー」と「サーモバルブ」の設定がポイント。

これら2つの設定方法をご紹介します!

 

①ボイラーの温度調節

ボイラーの温度とは、各部屋のパネルヒーターに送られる「不凍液の温度」を指します。

このボイラーの温度は、外気温や体感に合わせて設定するのが効率よく使うポイントです。

 

外気温が低い日に、ボイラーの設定温度も低いままだと、なかなかお部屋が暖まりません。

各部屋のパネルヒーターの設定を上げてもお部屋が暖まらない場合は、ボイラーの設定温度を上げてみましょう。

 

ただし、暖かい日にボイラーの温度設定を高いままにしておくと暖房費が高くなってしまいます。

春になり日中陽射しがあるようでしたら、思い切って一度ボイラーを切るのもいいでしょう。

ボイラーの設定温度の目安は、冬が60℃前後、春先・秋口は40~50℃が目安です。

 

②サーモバルブの温度調節

サーモバルブとは、各部屋のパネルヒーターについているバルブのことを言い、各部屋の上限室温を設定できます。

サーモバルブで設定した室温に達するとパネルヒータへの温水の流量を絞って、室温上昇を抑えます。

 

ここが低く設定されすぎていると、暖かく感じないまま放熱がストップされてしまいます。

逆に高く設定していると、その設定室温までパネルヒーターがどんどん放熱してしまうのでお部屋が熱くなりすぎてしまいます。

必要以上にお部屋を暖めてしまうことで、暖房費も高くなってしまいます。

過ごしやすい室温が見つかったらサーモバルブは基本的に固定と考え、外気温や体感に合わせてボイラーの設定温度で調整する方法が、室温調整のコツです。

 

また、使わないお部屋でもサーモバルブをゼロにしてしまうのではなく、なるべくお部屋ごとの温度差を作らないようにしましょう。

各部屋の室温差が大きいと、お部屋を移動したときに寒く感じたり、結露の原因にもなってしまいますよ!

ちなみに、これからパネルヒーターを設置するという方は、パネルヒーターの設置場所も考えておきましょう。

窓側の冷えやすいゾーンへ設置をするとお部屋を効率良く暖められます。

設計の際に意識してくださいね!

 

セントラルヒーティングを使う上での注意点

エアコンやストーブといった、一ヶ所を暖める場合と異なり、セントラルヒーティングは広く全体を暖めるように設計されています。

温水や暖かい空気がいきわたるまでに時間がかかるため、各部屋、家全体が暖まるまでに時間がかかってしまうため、24時間連続暖房をおすすめしています。

 

夏場はボイラーの電源をOFFに!

セントラルヒーティングは、夏場はボイラーの電源を切っておき、各部屋のサーモバルブは最大に設定しておきましょう。

サーモバルブは夏季も温度を感知して作動しますので、サーモバルブ本体への負担がかからないようにするのが目的です。

夏場のセントラルヒーティングの設定は「暖房を使わなくなったら「サーモバルブ」を全開に!」を参考にしてくださいね!

 

 

セントラルヒーティングの仕組みを知って、快適な冬生活を

セントラルヒーティングは一ヶ所を暖めるのではなく、家全体を効率的に暖めることができる仕組みです。

部屋の温度が下がりにくく、全体的に均一に暖まりやすいため、広めの部屋や大きな建物向きです。

以下のように多くのメリットがあります。

・火災や火傷の危険性が低い
・きれいな空気を保てる
・家全体を一度に暖められる
・稼働音が静か
・高い耐久性

 

寒さの厳しい北の地方では、冬の快適な暮らしを支えるうえで魅力的な暖房器具ですね。

しかし、初期費用やメンテナンス代、月々の電気代などは抑えたいところ。

・基本的に常時稼働
・サーモバルブを過ごしやすい室温に設定する
・お部屋ごとの温度差を大きく作らないようにする
・外気温や体感に合わせてボイラーの設定温度を調整する

 

また、設計の際に窓側の冷えやすいゾーンへパネルヒーターを設置をするというのも、重要ポイントです。

セントラルヒーティングは正しく使えば、冷え知らずの冬を過ごせること間違いなしです。

セントラルヒーティングの仕組みを知り、快適な冬を過ごしましょう♪

 

セントラルヒーティングのご提案やパネルヒーターのメンテナンスなど、暖房設備に関するご相談はニップロにおまかせください!

アフターケアを行っておりますので、長く快適な暮らしをサポートします。

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岡元 章雄(オカモト アキオ)

約15年、札幌ニップロでセントラルヒーティングの新築施工管理業務に携わってきました。施工がスムーズに行えるよう工程の管理や新規営業活動等を行っています。様々な立場の人と打合せを行いながら進める業務ですが、初心を忘れず謙虚な姿勢を心がけて対応します。

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