セントラルヒーティングの仕組みを解説!メリットや使い方のコツも

2024.06.25 UPDATE

自然に囲まれた家

こんにちは!住まいの設備会社 札幌ニップロです。

 

北海道の冬は寒くて長い!

少しでも暖かく快適に過ごしたいですよね。

 

そんな時期に大活躍なのが暖房器具。

エアコン、電気ストーブ、灯油ストーブ、こたつにホットカーペット…さまざまな暖房器具があります。

みなさんは、どのような暖房器具を使用していますか?

 

今回は北海道の一戸建て住宅の暖房器具として多く見られる「セントラルヒーティング」のお話。

セントラルヒーティングの仕組みやメリット・デメリット、長持ちさせながら効率的に暖められる使い方のポイントなどを詳しくお伝えしていきます。

セントラルヒーティングとは?

セントラルヒーティングは海外で主流の暖房器具で、日本では北海道などの寒冷地の一戸建て住宅に取り付けられることが多いです。

 

エアコンやストーブのように1カ所を暖めるのではなく、建物に設置した熱源発生装置から各部屋に熱を送り出し、家全体を一気に暖めます。

その仕組みから「全館集中暖房」「中央暖房」ともよばれています。

 

セントラルヒーティングには「温水セントラル」と「温風セントラル」の2種類がありますが、主流は温水セントラルです。

 

北海道でセントラルヒーティングが取り入れられる理由については「北海道の新築でセントラルヒーティングが多い理由とは?」もあわせてご覧ください!

 

 

セントラルヒーティングの仕組み

セントラルヒーティングの基本的な仕組みは、ボイラーやヒートポンプなどの熱源装置で発生させた温水や熱風を各部屋に届けるというものです。

温水や熱風が建物内に配されたパイプを通って各部屋の端末機に送られ、輻射熱や自然対流によって部屋を暖めます。

 

ここでは、現在主流の「温水セントラル」の仕組みを中心にご紹介します。

 

セントラルヒーティング「温水セントラル」の仕組み

家の各部屋にパネルヒーターを設置し、そこに温水を流し、その熱で部屋を暖めます。

温水を作る際には、ガスのボイラーや電気などを利用します。

 

近年ポピュラーなセントラルヒーティングの仕組みで、特に北海道で多く採用されています。

 

温風セントラルに比べて熱損失が少なく、広めの部屋や大きな建物にも対応可能です。

家中を温水が流れることになるため、家全体が均一に暖まりやすいというメリットもあります。

 

また、空気は冷めやすいという性質があるため、温かい空気を用いた温風セントラルと比較すると、部屋の温度も下がりづらいです。

 

温水を流すためのパイプは高い気密性のあるものが必要なので、温風セントラルよりも設置費用が高くなるのがデメリットといえます。

 

 

セントラルヒーティングのメリット・デメリットもチェック

セントラルヒーティング

セントラルヒーティングには、次のようなメリット・デメリットがあります。

それぞれ把握した上で検討してみましょう。

 

メリット①火災や火傷の危険性が低い

セントラルヒーティングは石油ストーブやガスファンヒーターなどと違い、直接火を使わないので火災や火傷、一酸化炭素中毒などの心配が少なくて済みます。

小さいお子さんや高齢者がいる家庭では重宝するでしょう。

 

また、コードを傷つけられる心配もなく、室内で安心してペットを飼うことができます。

 

メリット②きれいな空気を保てる

直接火を使わないので、二酸化炭素が発生せず空気を汚しません。

また、暖める際に風が吹かないので、使用中にほこりが舞い上がりません。

アレルギー体質の方や乾燥肌の方、生まれたばかりの赤ちゃんでも安心して使えます。

 

直接風を室内に放出することもないので、部屋の空気が乾燥しにくいのもメリットです。

 

メリット③家全体を一度に暖められる

家の各部屋にパネルヒーターなどの熱源が設置されているので、一度に家全体を同じ温度に暖めることが可能です。

部屋を移動しても暖かいままなので、洗面所やお風呂場など、寒くなりがちな場所でも快適に過ごせます。

 

家の中の温度差ができにくいことは、ヒートショックの予防にもつながります。

 

メリット④稼働音が静か

意外と気になるのが暖房器具の稼働音。

運転音のほとんどしないセントラルヒーティングなら、赤ちゃんのお昼寝や電話の会話、仕事の邪魔になりません。

 

メリット⑤デザインが豊富でインテリアとしても楽しめる

近年のセントラルヒーティングはデザイン性が高くおしゃれなものが多く販売されています。

家全体や部屋ごとの雰囲気に合う色や形のセントラルヒーティングを選ぶことができますよ。

 

例えば洗面室なら、タオルをかけられるパネル型のパネルヒーターが便利。

暖かいタオルで顔や体を拭くことができます。

 

さまざまなパネルヒーターのデザインについては「おしゃれなパネルヒーターで理想のインテリアに♪カラーやサイズも選べるセミオーダーメイドも可能!」も見てみてください。

 

デメリット①暖まるまで時間がかかる

エアコンやストーブなど、1カ所を暖める暖房器具とは異なり、セントラルヒーティングは広く全体を暖めるように設計されています。

温水や暖かい空気がいきわたるまでに時間がかかるため、各部屋、家全体が暖まるまでに時間がかかってしまう傾向があります。

 

対策として、24時間連続暖房をおすすめしています。

 

デメリット②設置費用やランニングコストが高い

セントラルヒーティングを導入するには、熱源やパネルヒーターだけでなく、熱源と各部屋をつなぐパイプを設置する必要があるため、初期費用が高くなる傾向があります。

リフォームでセントラルヒーティングを新たに導入する場合は大掛かりな工事が必要となるため、工事費が高くなる可能性もあります。

 

また、セントラルヒーティングは家全体を均一に暖めるシステムなので、人がいない部屋も暖めることになります。

また、肌寒い季節になってセントラルヒーティングを稼働させたら基本的に春まで24時間付けっぱなしとなるため、ランニングコストが高くなりがちです。

 

 

セントラルヒーティングを上手に長く使う方法

セントラルヒーティングは耐久性が高く、上手に使えば効率良く長く使用することができます。

活用のポイントについてご紹介します。

 

パネルヒーターを効率良く使用するための設定

パネルヒーターを効率良く使うには「ボイラー」と「サーモバルブ」がポイント。

これら2つの上手な使い方のポイントをご紹介します!

 

ボイラーの温度設定の調節方法

ボイラーの温度とは、各部屋のパネルヒーターに送られる「不凍液の温度」を指します。

このボイラーの温度は、外気温や体感に合わせて設定するのが効率良く使うポイントです。

 

外気温が低い日にボイラーの設定温度も低いままだと、なかなか部屋が暖まりません。

各部屋のパネルヒーターの設定を上げても部屋が暖まらない場合は、ボイラーの設定温度を上げてみましょう。

 

ただし、暖かい日にボイラーの温度設定を高いままにしておくと暖房費が高くなってしまいます。

春になり日中陽射しがあるようでしたら、思い切って一度ボイラーを切るのも良いでしょう。

 

ボイラーの設定温度は、冬が60℃前後、春先・秋口は40~50℃が目安です。

 

サーモバルブの温度設定の調節方法

サーモバルブとは、各部屋のパネルヒーターについているバルブのことをいい、各部屋の上限室温を設定できます。

サーモバルブで設定した室温に達するとパネルヒーターへの温水の流量を絞って、室温上昇を抑えます。

 

ここが低く設定されすぎていると、暖かく感じないまま放熱がストップされてしまいます。

逆に高く設定していると、その設定室温までパネルヒーターがどんどん放熱してしまうので部屋が熱くなりすぎてしまいます。

必要以上に部屋を暖めてしまうことで、暖房費も高くなってしまいます。

 

過ごしやすい室温が見つかったらサーモバルブは基本的に固定と考え、外気温や体感に合わせてボイラーの設定温度で調整する方法が、室温調整のコツです。

 

また、使わない部屋でもサーモバルブをゼロにしてしまうのではなく、なるべく部屋ごとの温度差を作らないようにしましょう。

各部屋の室温差が大きいと、部屋を移動したときに寒く感じたり、結露の原因にもなってしまいます。

 

ちなみに、これからパネルヒーターを設置するという方は、パネルヒーターの設置場所も考えておきましょう。

窓側の冷えやすいゾーンに設置をすると部屋を効率良く暖められます。

設計の際に意識してみてください。

 

夏場のセントラルヒーティングの設定方法

セントラルヒーティングは、夏場はボイラーの電源を切っておき、各部屋のサーモバルブは最大に設定しておきましょう。

サーモバルブは夏季も温度を感知して作動しますので、サーモバルブ本体への負担がかからないようにするのが目的です。

 

夏場のセントラルヒーティングの設定は「暖房を使わなくなったら「サーモバルブ」を全開に!」を参考にしてくださいね!

 

定期的にメンテナンスする

セントラルヒーティングを長く使うコツは、メンテナンスをしっかりと行うこと!

 

メンテナンスには、日常的なものと、数年に一度で良いものがあります。

それぞれのメンテナンス方法をチェックしましょう。

 

日常的に行うメンテナンス

日々のメンテナンスで行なってほしいことは、パネルヒーターの表面を乾いた布でひと拭きし、ほこりを取る程度。

隙間にホコリが溜まってしまった場合には、専用のブラシや掃除機でホコリを取り出しましょう。

 

Q&A:パネルヒーター隙間の掃除方法は?」でもご紹介していますので参考にしてみてくださいね!

 

定期的に必要なメンテナンス

定期的に必要なメンテナンスには「不凍液の交換」と「ボイラーの保守点検」があります。

 

不凍液は3年目が経過した頃から劣化が始まります。

3年が経過したら、不凍液交換を検討しましょう。

パネルヒーターの劣化の主な原因は「不凍液」の劣化による内部からのサビつきです。

「そういえばずっと気になってた…!」と不安になっていた方は、不凍液の状態を早めにチェックしましょう。

 

不凍液交換については「パネルヒーターを長く使う為の健康診断」でもご紹介していますので、メンテナンスのご参考にしてください。

 

保守点検は、ボイラー本体の健康診断のため1年に1回を目安に行いましょう。

 

費用ですが、札幌ニップロの例でご紹介すると「不凍液の交換」は施工に約90〜180分、費用は41,800円〜でご案内しています。

「ボイラーの保守点検」は作業時間が約1時間、費用は16,500円~です。

 

消耗部品は交換する場合もありますので、定期メンテナンスの際は、時間も費用も余裕をもって準備するのが良いでしょう。

 

 

セントラルヒーティングの仕組みを知って快適な住環境を目指そう

セントラルヒーティングは、ボイラーやヒートポンプなどの熱源装置で発生させた温水や熱風を各部屋に届け、輻射熱や自然対流によって部屋を暖める仕組みです。

1カ所を暖めるのではなく、家全体を効率的に暖めることができます。

 

以下のように多くのメリットがあります。

  • 火災や火傷の危険性が低い
  • きれいな空気を保てる
  • 家全体を一度に暖められる
  • 稼働音が静か
  • デザインが豊富でおしゃれ

 

寒さの厳しい北海道などの寒冷地では、冬の快適な暮らしを支えるうえで魅力的な暖房器具です。

ただし、部屋が暖まるまで時間がかかりやすく、設置費用やランニングコストが高くなる傾向があることも考慮して検討しましょう。

 

効率良く長く使って月々の電気代やメンテナンス代を抑えるには、このような方法があります。

  • 夏以外は基本的に常時稼働させる
  • 外気温や体感に合わせてボイラーの設定温度を調整する
  • サーモバルブを過ごしやすい室温に設定する
  • 部屋ごとの温度差を大きく作らないようにする
  • 日常的に、また定期的に、必要なメンテナンスをする

 

セントラルヒーティングは、正しく使えば冷え知らずの冬を過ごせること間違いなしです。

セントラルヒーティングの仕組みを知り、快適な住環境を整えましょう。

 

セントラルヒーティングのご提案やパネルヒーターのメンテナンスなど、札幌※の暖房設備のメンテナンスやご相談は札幌ニップロにおまかせください!

アフターケアも含め、長く快適な暮らしをサポートします。

※札幌市および江別、岩見沢、北広島、恵庭、千歳、石狩、小樽などの札幌近郊エリアにお住まいの方(その他のエリアのお客様もご相談ください)

 

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岡元 章雄(オカモト アキオ)

約15年、札幌ニップロでセントラルヒーティングの新築施工管理業務に携わってきました。施工がスムーズに行えるよう工程の管理や新規営業活動等を行っています。様々な立場の人と打合せを行いながら進める業務ですが、初心を忘れず謙虚な姿勢を心がけて対応します。

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